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エッセイ

第49回 群れで暮らした南米の王者

アルゼンチン産で、ギガノトサウルスによく似た大型獣脚類の化石が発見されています。多くの化石が見つかっていることから、群れで暮らし、集団で大型の竜脚類、アルゼンチノサウルスを襲ったかもしれないと考えられています。


Mapusaurus

学名は"地球トカゲ"

化石は、アルゼンチンのネウケン州にある白亜紀後期(約1億年前)の地層から発見されました。
Mapusaurus roseae(マプサウルス・ロセアエ)と命名されています。"Mapu"は原住民の言葉で"地球"を意味します。
ギガ(10の9乗)より大きいのなら、テラ(10の12乗)ノト(南の)サウルスという名前が思いつきますが、ティラノサウルスと混同しそうです。
頭骨や歯はギガノトサウルスに似ています。頭部の左右の幅が狭く、大きいため軽くしたのでしょうか、空洞が多く、下あごにも孔があいています。
歯は短めであまりカーブしておらず、ステーキナイフのように薄い断面です。このことから、骨を砕いて食べたのではなく、肉や内蔵を切り裂いて食べたと考えられています。しかし、これだけの大きさなら骨も砕けたかもしれません。
化石発見サイトでは、少なくとも7個体が見つかっており、中足骨は15個発見されています。最大の腓骨(すねの骨)は860mmで、体長12.2メートルのギガノトサウルスの腓骨よりも2cm長く、より大きかったと考えられています。


ゴンドワナを支配した仲間

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系統的には、カルカノドントサウリダエ(科)のギガノトサウリナエ(亜科)に位置づけられ、ギガノトサウルスと姉妹群とされています。
アフリカで発見されるカルカノドントサウルスと近縁で、アフリカ大陸と南米大陸はまだ完全には分離していなかったようです。
これらの恐竜が白亜紀後期のゴンドワナ大陸を支配していたのです。
なお、鳥類へとつながらない系統ですが、V字型の叉骨が見つかっています。


群れで暮らしたのか

大きさの異なる複数の個体が発見されていることから、年齢の異なる仲間がグループで暮らしていたようです。群れをなしていた最初の大型獣脚類と考えられています。
大型恐竜が群れで暮らすとそれだけエサの確保が大変です。しかし、大きくなると速く走れなかったことも考えられますから、若い固体が獲物を追いかけ回し、成体がとどめをさすという役割分担をしていたのかもしれません。
仲間で襲うには、何らかのコミュニケーションが必要で、それなりの知能があったのでしょう。でも脳はそれほど大きくなかったようです。



参考:Geodiversitas, 28 (1), p.71-118. 2006

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