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小田 隆さん 古生物アーティスト
1969年三重県に生まれる。 |
創造の翼を羽ばたかせて
一枚の復元画に連続するストーリーを込める小田隆さんの作絵と淡々と物語る文が、想像をかきたてる今までありそうでなかった絵本「ティラノサウルス」出版記念インタビューです。
- 復元画と共にご自身が執筆された「ティラノサウルス」は絵本ではなく別の呼び方が必要のように思うのです。単なる復元の過程を解説しているだけではない、単なる復元画が掲載されているだけではない何か異なった雰囲気を感じるのですが……。
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絵本以外にどのように呼んでいいかはわかりません。私は絵本だと思っていますが、本であることが大切でした。一枚一枚の絵を見ることでも、おおくの情報を読み取ることが出来ます。しかし、絵の中に流れる時間の経過を表現したいとなると、一枚の絵だけでは限界があります。本という形式はページをめくることで、時間を感じることができる表現方法だと思っています。しかも時間を進めるだけでなく、戻ることもできます。とくに絵本であれば気に入った絵を見ながら、自由にページを漂うこともできますね。
小学校高学年の子どもたちや、恐竜や古生物に興味はあって好きなのだけど、この分野に敷居の高さを感じている人に、是非手にして欲しい。 - 絵本「ティラノサウルス」で一番伝えたかったことは何ですか?
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出版のきっかけは絵本の出版社から話をいただき、復元画というものを理解してもらうにはどうすればよいかということを考えていました。
実のところ、復元のプロセスについて描いた絵本の前半部分のほうが大切でした。博物館に行っても、映画を観ても、そこには完成された標本や復元画、CGが存在します。それらは、多くのプロセスからうまれた結果です。その結果に至るには、ものすごく多くの地道なプロセスがあります。この絵本にも、そんな部分を感じ取ってもらえればと思っています。
復元画を見た人がする質問で特に多いのが「空想や想像で描くのですか?」というものです。とはいえ空想や想像ではけっして描けません。復元の苦労話を見せたいわけではなく、復元という作業の過程を少しでも理解して欲しいと願い、そのおもしろさを少しでも感じていただければと思っていました。 - 絵本「ティラノサウルス」出版までどのくらいの時間を費やされたのでしょう?
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たくさん手を動かして、形にならないような落書きを無数にして、イメージをつかんでいきます。どんなに頑張っても、どんなに科学が発達しても、本物の絶滅した動物を観察することは不可能です。
「ティラノサウルス」の場合、モノクロのスケッチを簡単に製本したものを、何冊も制作したと思います。その段階から本の形式になるよう、ページ割りを意識して描きました。
今回、監修は国立科学博物館の真鍋眞氏にお願いしたのですが、ラフの段階から意見をだしていただきながら進めていましたし、研究者の友人にも機会があるごとに、意見を求めていきました。参考文献を集め参照したり、標本を見ることも大切な作業です。2004年の夏はモンゴルへ行く機会があり、日本以外の発掘の現場を体験することができ、非常に良い経験になっています。
結局、そんなわけで「ティラノサウルス」の企画がスタートしてから出版まで、足かけ2年かかりました。 - 最新の科学的データで描かれた絵本であっても、いずれは古びたものになってきます。今の持てる能力で最高の仕事をしたとしても避けられない事実ですが、その点についてどう考えておられますか?
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全く気にしていません。出版される直前である現時点でも、すでに直したいところがあります。それは形あるものに表現する方法をとっている以上、避けては通れないのが事実です。人間も社会も自然も、日々変化していくものですから、その変化を真摯に受け止めてより良い表現を目指していきたいです。
ものすごく見たいという欲求と、絶対に不可能であるという事実のなかで、それでも真実に近づきたいと思いもがく。そんな感じではないでしょうか。
でも、そこにおもしろさと「想像の翼」を羽ばたかせる余地があります。
私の描く復元画が正解でも、合格点でもありません。たくさんの人が挑戦してくれれば、もっと良い復元画が生まれてくると思っています。
この仕事に興味を持って、やってみたいと思う子供たちが増えてくれれば、すごく嬉しいです。
進化や生物、自然について思いを馳せることはいつまでも際限なく、一人の人間がとらえきれるものではないと思っています。それでも少しでも目に見える形で表現できれば……。恐竜も「ティラノサウルス」だけではありません。
できるだけたくさんの生物の復元画を描きたいですね。
(インタビュー:フェバリット編集部)















