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水上輝夫さん
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サイエンスに片足を突っ込んで Vol.2
- トンネル工事で掘った岩を積み上げた工事現場で見つけたなんて、まるでイグアノドンの発見者ギデオン・マンテルのようだ。マンテルも化石収集から未知の巨大生物にのめり込んでいったのだ。そして氏は、恐竜の持つサイエンスな部分に最も魅力を感じている。
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私は子供の頃恐竜よりも昆虫採集などに夢中だったせいもあるのか、恐竜が懐かしいとかカッコいいということ自体を考えてないのでしょう。むしろ筋道を立てて恐竜の未知の部分を解き明かすというサイエンスの世界に憧れを感じます。
でも、純粋にサイエンスだけを追究しているかというと、それだけじゃない部分もあります。エンターテイメントというか楽しむ部分も必要ですね。学術用語も使ってはいますが、そればかり使った専門サイトになることを目指しているわけではありません。「恐竜の楽園」には、解りやすい簡単な言葉で楽しもうじゃないかという部分が結構あるでしょう。そういう部分がないと興味を持つ人が増えていかないと思うんです。
科学の部分も多様な議論が必要ですね。限られた人だけでやってますと、限られたモノになってしまいます。興味を持つ人を増やすために、エンターテイメント性が必要です。映画であれ、本であれ、そういう部分を加味していかないとサイエンスにも進歩がないと思うのです。
サイエンスでもうひとつ大事なことは、確実に証明されるものだけがサイエンスではないということです。幽霊にしても本当にいるなら証明しろと言う人がいますが、いないということも実は証明できない。
地球温暖化にしても、証明していては遅いわけです。証明される頃にはもう取り返しがつかない。証拠がでる前に予知するとか、推測するという部分もサイエンスなんです。証拠がなくても科学的な部分はいくつも成り立つんです。
恐竜の復元もそうでしょう。それは真実なのか?、証明しろと言われても全て仮説ですし、少しずつでも真実に迫っていくのがサイエンスです。だからサイエンスといいながらも、未知の推測部分はいっぱいなんじゃないかと思います。
現代は科学万能の時代ですが、科学ではどうしても証明できないことがあります。その非科学的なところにもまた魅かれてゆく。科学で埋め尽くすことのできない間に、人間の隠された能力みたいなものを発揮することができる。
昔から私は絶滅というのが嫌いだったんです。恐竜は絶滅したのではなくて、生きてるんだぞと。恐竜を生物として、地学というか地球科学や化石という点だけじゃなくて、生きている生物として捉えていきたい。生物として捉えるとまだまだ謎だらけです。
どうしてみなさん恐竜に興味があるかというと、普段見かけない姿だからだと思うんです。だけど、怪獣や妖怪のようにフィクションじゃなくて、恐竜はサイエンスにも片足を突っ込んでいる。しかも首が異常に長かったり、そういう非現実的な部分を持ちながら、サイエンスな部分がある。私たちは両方納得できるのでしょう。
サイエンスから切り離せば、フィクションでしかない。反対に難解な論文だけだと楽しくない。サイエンスに片足をおいて楽しむと、本当に恐竜は生きているんだという気持ちになるでしょう。 - フェバリットコレクションのサイトがオープンしたのが、2001年の8月。水上氏はフェバリットに、その時代を切り取った復元アートを期待している。時代を切り取るとは足跡化石と同じく、私たちが生きて何を考えていたかの証なのである。
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最初、フェバリットコレクションのパンフレットをもらった時の印象は、非常にリアルだなと思いました。でももっとすごいなと感じたのは、新作のコレクションが次から次と、どんどん発表されてくることです。それとニュース。最初はフィギュアの延長かなという気がしていていたのですが、この人たちは本気だなと思いました。
ブームが過ぎれば簡単にやめてしまうなど、だいたい企業というとあまり真剣にやってないじゃないですか。でもフェバリットはどんどんすごいことをやってくる。ティラノサウルスの骨格モデルを持っているのですが、ここはこうなっていてと、骨格モデルは勉強になりますね。
ホームページも本も活字にした瞬間、古くなります。復元モデルというのもその時代の科学の粋を集めるわけです。しかし、来年、再来年になって新しい事実が出てくれば変わってゆきますから、その時代の復元というのはかなり貴重なんです。
いま尾を引きずっている恐竜の復元が消えたでしょう。体が水平になっている復元が最新だというものですから、最近では、みんなそのように復元されてきています。ですから、かえって尾を引きずっているのが貴重なんです。
フェバリットの復元モデルに年代かロットナンバーを打ってはどうでしょう。2001年バージョンはこうだったと、その時代の科学の粋を集めたいわゆるアートとして残すんです。古くなったら古くなっただけ価値がでるはずです。今、尾を引きずった復元モデルを、わざわざ新しい型を作って販売するという気にならないでしょう。でもあれはあの時代の最新のもので時代を映しているわけです。だからそうなると復元も科学的に追求していく部分だけじゃなくて、その時代を切り取ったアートとして残していくんじゃないかと思います。だから私は、そういう復元図だけを集めたようなサイトを作りたいなと、ずっと思っていたりするんですよ。 - Life Long Learn……が現代人にとって大切なキーワードになっている。水上氏と出逢い、その話を聞いていると人生の楽しみ方とライフスタイルが見えてきたような気がしている。
(インタビュー:杉原正樹)















